布教法

091116

お休みを1日はさんで6日目「布教法」です。布教の方法、布教も何も...と思いつつも興味のあるタイトルです。開始前にレジュメが配られます。人前で話すこと、好きか嫌いか問われれば、まあ嫌いです。でもまあ仕方ない。最初は嫌いだったけどはまってた、なんてこともよくあることです。

作法のお話と実演から入ります。
法話の作法については明文化されたルールがあるわけでなく、慣習としての作法です。もちろん大切なのは話の中身ですが、作法がなっていなければ伝わるものも伝わらない、ということです。

演題の設置場所、会場への入り方、話し始めるまでの作法、話し終えた後の作法、出方、いろいろあります。とはいえ、演題の前で立って話したり、畳の上で座って話したり、会場の形や状況は様々なので、臨機応変に、丁寧に、わざとらしくなく、リズム感のある所作を、とのこと。

次は「心得」です。
話す側と聞く側、立場は全く同じです。教えるのではなく学ぶという姿勢です。法話は「おとりつぎ」と呼ばれます。親鸞の思想、教え、を伝える、取次ぐ、という意味です。言葉で伝えることも重要ではあるが、行動こそが重要です。何を考え、どう行動し、どういう生き様か、見られているのはそこです。そこがおろそかであっては何も伝わらない。とはいえ、常に強く正しく清らかに生きることも難しく、与えられた能力も様々。大事なのは謙虚に真面目に学ぶ姿勢です。といったお話。

お寺は布教の中心施設。しかし、階段が急、暗い、暑い、寒い、乳幼児や高齢者や障害者が来やすい建物になってない。古い建物にはそれなりの良さもありつつ、お寺の本来的な意味を考えると変えていくことも検討すべきだろう。布教は言葉だけではなく、環境を整えることも大事です。少なくとも掃除はちゃんとしてください。と。

布教使は布教師ではない、というお話。「私が教える」「私が助ける」「私が・・」ではない、あくまでも、私は取り次ぎに使わされたもの。学んで教えるのではなく、学ぶ姿が人に伝わります。学ぶことと伝えることは常に同時進行です。と。

仏徳讃嘆が大事です。仏の教えを伝え説明し感動させることではなく、仏の教えを聞き味わい感動することです。仏の言葉を伝えることで救われるのであれば誰も苦労しません。苦悩を共有すること、共感すること、寄り添うこと、まずはそこからです。と。

道は長いわけです。


で、次は「法話の実際」です。実際的なノウハウです。

準備をしっかりしてください。テーマを決めて、中心を決めて、話材を取捨選択し、ストーリーを組み立て、初めはしっかり原稿を書いてください。はい。

オーソドックスな法話の構成は、「序説(讃題)」→「法説」→「本論」→「結勧(合法)」だそうです。「讃題」で親鸞の言葉などを引用し諳んじることから始まります。「法説」ではその言葉の解釈や説明。ただそれだけでなく、どう味わったのかを話します。「本論」で話を広げます。生活の中での具体例、比喩などを交えて、「どう感動したのか」を話します。感性が重要です。感性を磨くこと、心がけてください。磨けば磨けるものです。目を凝らして見るように心がけてください。と。「結勧」もう一度最初の言葉に話を戻して締める。ううん。

誰に話すか、どこで話すか、何を話すか、どのように(時間や順番)話すか、意識してください、と。特に時間を守ることが重要です。試験では5分の法話をやってもらいます。話し始めて4分でベルを1回鳴らします。5分で2回鳴らします。5分をオーバーしたら大幅に減点します、だそうです。どこの世界も一緒ですね、長引くのは最低です。

法話の前は静座して落ち着く。語り言葉は魔物です。口を滑らすことがあります。書き言葉のように人目に触れる前に訂正することができません。聞く人の身になってください。間の取り方が大切です。方言を恥じないでください。和やかな雰囲気を作ることにもつながります、ただ、意味がわかならい、というのは考えものです。比喩・例え話はリアリティが重要です。金言・ことわざをうまく活用してください。笑い・泣き、大切だけど節度が重要です。うわさ話、不確かな話はしないでください。専門用語は使わないでください。などなど。

午後は「法座」です。グループワークみたいなものです。布教伝道の原点だそうです。輪になって座って、問題提起があって、それについて話い合う、というものです。規模によっては、複数のグループで一つの話題を話し合う分散会形式、複数のグループに分かれてそれぞれ別々の話題を話し合う分科会形式、代表者が話し合うシンポジウム形式、などなどいろいろです。

そして最後に「法座実践」。テーマは「お寺のあり方」。内容は省略しますが、まあいろいろ考えさせられます。お寺が必要となれなくなっている、そういうエピソードはたくさん聞きます。実際そう感じます。講師の先生のまとめの言葉、「この世に悲しみがある以上、僧侶の仕事がなくなることはありません。」ううん...。

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