フィボナッチ・キノコ

メイキング・オブ・そのきのこ手ぬぐい#002です。このデザインの特徴はなんといっても螺旋状に広がるキノコですが、この螺旋、ただ螺旋っぽく並べられてるわけじゃないんだぜ、という話です。

フィボナッチ数(Fibonacci number)というものがあります。

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, …


という、0から始まり、次が1で、次からは前の2つの和、というシンプルな数列です。フィボナッチ数列の連続する項の比は、1:(1+√5)/2、約1.618でいわゆる黄金比に収束します。

自然界によく現れる数列だそうで、このページなどが詳しいですが、花びらや葉っぱ、パイナップルの皮のうろこ、松ぼっくりの鱗片、サボテンのとげ、ジャガイモの芽など、一部の植物で螺旋状に並ぶものに番号を振ると、3週目で8番目が下と重なる、とか、2週目で5番目が、5週目で13番目が、みたいなことになってるらしいのですね。

2と5、3と8、5と13、...一つとばしのフィボナッチ数なんですが、この比を無限にとばすと、2-{(1+√5)/2}に収束して、約0.3820ですが、これに360°をかけた約137.507度が黄金角と呼ばれたりします。

さて、この137.5°ずつひねりながら広がる感じを図にすると、たとえば、
x=a×cos(0.3820×2π×a)
y=a×sin(0.3820×2π×a)
a=0,1,2,3,...

として、
a=1のとき、(x,y)=(-0.73736,0.6755)
a=2のとき、(x,y)=(0.1748,-1.99235)
a=3のとき、(x,y)=(1.82541,2.38073)
a=4のとき、(x,y)=(-3.93889,-0.69652)
a=5のとき、(x,y)=(4.2186,-2.68392)
a=6のとき、(x,y)=(-1.55716,5.79442)
a=7のとき、(x,y)=(-3.22693,-6.21184)
a=8のとき、(x,y)=(7.51486,2.74351)
a=9のとき、(x,y)=(-8.3187,3.43501)
a=10のとき、(x,y)=(4.23725,-9.05791)
a=11のとき、(x,y)=(3.29366,10.49532)
a=12のとき、(x,y)=(-10.3835,-6.01523)...

これを座標にプロットすると、

このExcelファイルはこれです。何の訳に立つか分かりませんが...。ところで、Excelにπとかsinとかcosの関数があるんですね。

で、このプロット図をイラレに取り込んで、キノコを並べていきます。



色をつけてロゴを入れて、手ぬぐい屋さんとやりとりしながら修正して、



デザインが決定して、かまわぬの熟練の職人さんたちの手によって、『注染』という技法を用いて染められ、一枚のてぬぐいが完成します。

このページからご購入いただけます。

で、話は変わりますが、そのきのこさんがブログで書いてるように、「きのこ」と「数学」って全然関係ないようでいて、なんだか共通する魅力があるんですね。で、ここに出てくる、グリゴリー・ペレルマン博士とかかなり素敵なんです。ユダヤ系ロシア人の数学者なんですけども、幼少期より数学教師であった母親の英才教育を受け、学生時代には当時の最年少記録である16歳で国際数学オリンピックの出場権を獲得し全問満点の金メダル、2002年にポアンカレ予想を解決したと宣言、2006年この業績に対してフィールズ賞を受賞するも、
私が別世界の中で自分自身との交流によってエクスタシーを感じているときに、なぜ私に賞や100万ドルが必要なのか。

と言って辞退。wikipediaによれば、
現在は故郷で母親と共にわずかな貯金と母親の年金で細々と生活している。...趣味はキノコ狩りとされ、人付き合いを嫌い、ほとんど人前に姿を見せないなど変わった人物であるが、学生時代までは笑顔の絶えなかった少年として周囲から記憶されている。

何がどうなっているのか分かりませんが、皆様におかれましても、お母様の年金でこの手ぬぐいをお買い求めいただくとよろしいのではないでしょうか。

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