雅号と篆刻

書道を始めて2週間。もう生活の一部になってる感じさえしてきました。

書道、いい。何が良いか。今の時点で思いつくことは、
  • 集中して余計なことを考えない(意外と気を使って生きている)
  • 身体を使う(普段使わない筋肉を繊細に使うし、息を詰めたりふう~っと抜いたりと呼吸が多様)
  • 歴史のスケール感がすごい(お手本が2000年以上前のものだったり) 
  • 無目的性(目的がない。あっても「美しさ」的な非言語的で比較不能で上限のない目標設定)
  • 一期一会感(墨の色や濃さ、筆が含む墨と水、紙の滲み、などなど毎回違って二度と再現できない)
あたりでしょうか。あと大事なのがローコスト。紙も墨も筆も数百円で十分な質のものが買えて、しかもどんな小さな文房具屋さんでも置いてある。その上、道具にこだわろうと思えばそれはそれで奥の深い世界が広がってそう。

で、ひきつづき榊莫山の本にならって、王羲之、欧陽詢の臨書(の臨書)をしているのだけど、ちょっとググるとYouTubeにたくさんデモンストレーションの動画があって、蘭亭序にしても九成宮醴泉銘にしてもさすがクラシック、いろんな書家が書いてる様子が動画で見れるんですね。お手本だけだと分からない筆の持ち方とか、動かし方とか、座り方とか、着てる服とかとか、すごく面白い。



現代中国の有名な書家らしい田英章、書いてる字とこの風貌のギャップとか、とても味わい深い...。というか、本場のスターの手元が間近に簡単に見れるって贅沢。

動画に英語でコメントがいっぱい入ってて「beautiful!」とか書いてあるのも面白い。字の意味が分からなくても美しさが伝わってるんですね。そういえば驚いたのが、お手本になってる臨書、文章の意味の区切りとは全然関係のところで3文字とか4文字とかを切り取って練習するんですね。そもそも、蘭亭序は「詩集の序文」だし、九成宮醴泉銘は「泉が湧きでた記念碑」、温彦博碑は「お墓」だったりで、大した意味のない文章が不朽の名作になってるのもおもしろい。意味から開放されて普遍性を得てる、というか。表意文字と表音文字、書道とカリグラフィ、レタリング、タイポグラフィ、フォント、いろいろと興味がわいてくる。
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で、お手本とYouTubeを見ながら仕事の合間に(どっちが合間が微妙だけど)書くわけです。

最初は「結構それっぽく書けるじゃん、うまいじゃないか。」と嬉しがっていたものの、しばらくするとやっぱりダメなところがよく見えるようになってきて、お手本と何が違うのか考えてみた。考えた結果、「お手本には印鑑があって、僕のにはない」ところが一番違うということを発見(たぶん重要なのはそこではない)。ま、何にしても、この印鑑の赤いアクセントがあるのとないのとでは全然違うわけで、これは印鑑が欲しい。

印鑑を作るにあたり、印鑑に何を彫るかという問題が出てきた。書家ってペンネームみたいなの使ってることが多いように思うけど、ぐぐってみると、あれは「雅号」というのですね。
雅号(がごう)とは、文人・画家・書家などが、本名以外につける風雅な名のことである。(中略)江戸時代までは、個人の名前は姓と諱、名字と通称、さらには字など、複数の名前を一人が持つことが認められてきた。しかし、明治時代になると氏名が戸籍に記録され、それ以外の名前を持つことは禁じられた。これに反発する形で、「雅号」が当時の知識人にもてはやされる。明治初期の文人に夏目漱石や森鴎外のような雅号を使用している者が多いのはそのためである。雅号は知識人以外にももてはやされ、軍人や商人などおよそ文化とは関係ない者まで使用する流行となった。これが逆に知識人の反発を招き、雅号の使用をやめるものが増え、大正期には雅号の流行は終わり、一部の使用にとどまっている。
ふふふ、禁止されたらやりたくなって、みんなが始めたら嫌になる。わかる。

で、話はそれるけど、この前家族のことを調べてて思ったけど、苗字のあり方もこれから変わっていくかもしれないですね。夫婦別姓とかそんな小さなことではなくて、苗字の非義務化とか、親が決めるのは幼名だけで自分の名前は自分で決める、とか。そんなことしたらややこしいっていう話もあるかもしれないけど、そもそも同姓同名があったり、結婚で改姓したり、そもそもIDとしては機能してないわけで、名前がもっと自由に変えれるようになったらもっと楽しそうだけど、だめかな。

ま、そんなことはどうでもよくて、雅号は勝手につけてもいいものなので、つけたい。何にしようか。で、やっぱ、3年も名乗っていると愛着がわいてくるもので、「しろしべ」かな。漢字で白蕊。篆書体を調べて下書き。

Untitled
いいじゃないか。 この「心」の部分、心臓の形の象形らしいけど、どう見ても心臓というよりは、ま、うん。とてもいい。 で、篆刻する。

篆刻に用いる主要な印材は石であるが、金属、竹、骨、牙、角、植物の種子等も用いられる。また、最近では、入手と加工の手軽さから、消しゴムが用いられる事もある。
ほう。 篆刻もおもしろそうだな...。季刊書道ジャーナル「グラビア特集 現代の篆刻」、まずい、きりがない...。

とりあえずは消しゴムで。消しゴムを最後に使ったのいつだろうか、などということに思いをはせつつ、使いかけのぺんてるのハイポリマーに篆刻。ちゃんと消しゴムの機能を残すあたりがおしゃれ。

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で、押してみた。欧陽詢の「皇甫府君之碑(皇甫誕碑)」の臨書。

夫素秋

いい。すごくいい。これ、スキャンする時に紙のシワは飛ばしたほうがいいかなぁ。

夫素秋

ううん、良くも見えるけど、ダメな所も目立つなぁ。道は険しく楽しい。

ふう...。仕事しないといけない(のかな、どうかな...)。

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