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Showing posts from May, 2012

近況メモ(ダイエット、読書、靴)

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このところブログに日記らしいことを書いてなかったので久しぶりに近況メモ。 5月はなんだか全然ダメな月だった。連休中は仕事する気がせず、連休明けもいまいち気分が乗らず、仕事以外にもいろいろやりたいことがありつつ集中できず、だった。そのうえ今週になって久しぶりの風邪をひいた。年頭から始めたダイエットも見事に停滞中。何かとグダグダな5月であった。21日に金環日食があったけど、きっとそれのせいだな...。 で、最近ぼんやりしてるんだけど、本は読んでて、最近読んだ(でる)本のメモ。 橋本治の「貧乏は正しい! 」 「貧乏」という問題は、「美しい」という問題と大きくからんでいる。今の世の中、「食うや食わずの貧乏」というのは、大きく後退してしまった。...しかし、貧乏には、”それと別の貧乏”もあるんだ。 この前「小商いのすすめ」で引用されてて気になった 本。分かったような分からないような気持ちにさせられる独特の文体、一気に読まされます。おもしろい。 パウロ・フレイレ( Paulo Freire)の 「 被抑圧者の教育学 」。これは複数の経路からお勧めされて、いろんな本で引用されてて、今読み始めたばかりだけど、きっとおそらくとても重要な本。キーワードの「意識化」は、 Wikipedia によると、 ポルトガル語の「conscientização」の翻訳語である「意識化」は、社会的・政治的な矛盾を認識し、暴露することに焦点を当てた学習形態。意識化は、そのような学習の一環として、個人の生活に存在する抑圧的な部分と向き合うことも含んでいる。 まさにドンピシャ、今の重要なテーマ。先が楽しみ。 千田有紀の「 日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか 」 。 9月に日本家族看護学会のシンポジウムでお話させてもらえる ことになったので、その予習。 「家族」に関して知らないことがいっぱいあった。後半のややこしい議論はよく分からなかったけど、並べられてる様々な家族に関する事実だけでもおもしろかった。自然だと思っていた「家族」の形、法制度や経済状況と密接にリンクして多様な形の変遷があって、国や地域でも全然違って、実はもっと多様な形の「家族」があり得るんじゃないか、と思った。 で、話は変わるけど、 3年前に買ったClae  のお気に入り

風営法とダンス必修化、レバ刺しとセシウム、大麻と精神科多剤大量処方

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4月6日、 無許可でクラブ営業をしたとして、曽根崎署は5日、風営法違反(無許可営業)容疑で、大阪市北区中崎西のクラブ「NOON(ヌーン)」を摘発し、経営者ら計8容疑者を逮捕したと発表した。いずれも容疑を認めているという。逮捕容疑は、4日午後9時50分ごろ、店内にダンススペースを設け、無許可で客ら約20人にダンスをさせるなどしたとしている。 sankei.jp.msn.com/region/news/120406/osk12040602010002-n1.htm 4月16日、 福岡の老舗クラブ「O/D」、石野卓球のDJ中に風営法で摘発される matome.naver.jp/odai/2133442923863934501 5月15日、 東京都港区西麻布の飲食店「エーライフ」経営者ら2人を現行犯逮捕した。逮捕容疑は、ナイトクラブの営業許可がないのに12日午前0時すぎ、店内にDJブースや踊り場を設けて客にダンスをさせ、酒食を提供した疑い。2人は「客が体を動かしてはいたが、ダンスという認識はなかった」と容疑を否認している。 sponichi.co.jp/society/news/2012/05/15/kiji/K20120515003253220.html  で、一方で4月18日、 今月から中学校の体育の授業でダンスが必修化されたのを受け、 一般社団法人「ワールドリズムダンス技能協会」(東京)は18日、 ヒップホップダンスの指導者を認定する資格を創設すると発表した。 blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1708265.html 風営法によるクラブ摘発と義務教育でのダンス必修化、そっちのダンスは禁止でこっちのダンスは義務化、なんでこういうおかしなことになっているのか分からないのですが、何だか妙な既視感を覚えます。 例えば、 厚生労働省は30日、食中毒を防止するため、飲食店が生の牛レバー(肝臓)を「レバ刺し」などとして提供することを法的に禁止する方針を決めた。6月にも施行し、小売店が生食用として販売することも禁じる。違反すれば「2年以下の懲役か200万円以下の罰金」が科される。 47news.jp/CN/201203/CN2012033001002052.html と、 4月に

今読んでる3冊の本

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2011年度のお仕事、やっとゴールが見えてきて、読みたい本や読みたい論文に目が向くようになってきた。だけど、たくさんあって、内容バラバラで、気が散ってしまって仕方がない状態。複数の本を並行して読むことはあまりしないのだけど、何だか今そんな感じになってしまっています。今読んでるもののメモだけ。 まずは、ナオミ・クライン(著)「 ショック・ドクトリン―惨事便乗型資本主義の正体を暴く 」 。ここ数年で急に興味が出てきた経済。去年「 ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情 」を読んで面白かったので読んでます。ここで批判されている ミルトン・フリードマン 、そして、フリードマンが批判してたという ジョン・メイナード・ケインズ 、どんどん読みたくなってきます。あと、マルクスも読みたい読みたいと思いつつずっと読めていない。いくら時間があっても足りない。 で、島薗進(著)「 日本人の死生観を読む 明治武士道から「おくりびと」へ 」。   島薗先生のTwitter  は震災前からフォローしていたのですが、震災後はとりわけ、科学者と社会の関係、宗教者と社会の関係、放射線に関する安全論者の系譜などなど、ストイックに発信されていて、熱心にフォローさせてもらっています。これは震災後に出た本で、エッセイのような学術書というか、学術書のようなエッセイというか、不思議な感じの本です。ちゃんと気持ちを静めてゆっくり読みたいので今はちょっと中断中。 で、高木俊介(著)「 精神医療の光と影 」。今年の2月にACT-Kにおじゃまして、その時にちょうどこの本の著者校正をされているところで、その時に読みたいと思ってたので購入。序章は、宇都宮病院事件のお話、昨年10月に福島の浪江町に行かれたお話、若いころに水俣に行かれたお話などから始まります。早く続きを読みたいと思いつつ、いろいろ気が散ってしまっています。 で、島薗先生と高木先生、おそらく直接のつながりがないお二人で、一緒にこれらの本を買ったのもただの偶然なのですが、お二人とも「水俣に見た医学の影」に大きな影響を受けておられて、これまた偶然ですが、2冊とも冒頭で宮沢賢治を引用されていて驚きました。 Wikipediaの「近代」 の説明では、 時代区分としての近代を象徴する要素は、ヴェストファーレン条

過剰相対リスク (Excess Relative Risk) について

放影研のLSSコホート論文を読もうと思い 、いろいろ下調べ。 最初は、「過剰相対リスク (ERR: Excess Relative Risk)」 について。ググってみると、長崎大の「 放射線生命科学国際コンソーシアム 」の用語解説のページが見つかる。 一般的な疫学研究において2つ以上の集団でリスクを比べる時、非曝露群と比べて曝露群が「何倍」のリスクがあるのかをみるのが相対リスク (RR: Relative Risk)。例えば、被爆線量がゼロの集団における疾患Aの発生リスクが10万人あたり2人で、被爆線量が1 Svの集団では10万人あたり5人だった場合、単純なRRは、5 ÷ 2 = 2.5 倍 となる。しかし、放射線被ばくのリスク評価では、放射線を浴びることによって単位線量当たりどのくらい過剰にリスクが上昇したのかをみる過剰相対リスク (ERR: Excess Relative Risk / 1Sv) という指標が用いられることが多い。上記の例では、単純なERRは、 (5 - 2) ÷ 2 = 1.5 となり、被爆線量1Sv 浴びると1.5倍過剰に発生リスクが上昇することを意味する。 ほう。けど、なんでRRじゃダメなのか。もうちょっとググると、 Suissa S. Relative excess risk: an alternative measure of comparative risk. American journal of epidemiology. 1999;150(3):279-82. ( PubMed , PDF ) この論文が出てきて、雑誌名から察するに疫学分野の有名な雑誌で、タイトルから察するにERRという指標を最初に提唱した論文かな。1999年ってわりと最近。で、中を見てみると、  2種類の薬と高齢者ドライバーの自動車事故のリスクを考える。もともと、1000人の高齢者が1年間に起こす事故が10件だとする。もし、薬Aを飲むと8件余計に事故が起こり、薬Bを飲むと4件余計に事故が起こるとする。1年1000人あたり起こる事故の件数は、薬Aを飲む群で10 + 8 = 18件、 薬Bを飲む群では10 + 4 = 14件。なので、比較相対リスク (Comparative Relative Risk) は、 18 ÷ 14 = 1.3。一方