風営法とダンス必修化、レバ刺しとセシウム、大麻と精神科多剤大量処方

4月6日、
無許可でクラブ営業をしたとして、曽根崎署は5日、風営法違反(無許可営業)容疑で、大阪市北区中崎西のクラブ「NOON(ヌーン)」を摘発し、経営者ら計8容疑者を逮捕したと発表した。いずれも容疑を認めているという。逮捕容疑は、4日午後9時50分ごろ、店内にダンススペースを設け、無許可で客ら約20人にダンスをさせるなどしたとしている。
4月16日、
福岡の老舗クラブ「O/D」、石野卓球のDJ中に風営法で摘発される
5月15日、
東京都港区西麻布の飲食店「エーライフ」経営者ら2人を現行犯逮捕した。逮捕容疑は、ナイトクラブの営業許可がないのに12日午前0時すぎ、店内にDJブースや踊り場を設けて客にダンスをさせ、酒食を提供した疑い。2人は「客が体を動かしてはいたが、ダンスという認識はなかった」と容疑を否認している。
 で、一方で4月18日、
今月から中学校の体育の授業でダンスが必修化されたのを受け、 一般社団法人「ワールドリズムダンス技能協会」(東京)は18日、 ヒップホップダンスの指導者を認定する資格を創設すると発表した。
風営法によるクラブ摘発と義務教育でのダンス必修化、そっちのダンスは禁止でこっちのダンスは義務化、なんでこういうおかしなことになっているのか分からないのですが、何だか妙な既視感を覚えます。

例えば、
厚生労働省は30日、食中毒を防止するため、飲食店が生の牛レバー(肝臓)を「レバ刺し」などとして提供することを法的に禁止する方針を決めた。6月にも施行し、小売店が生食用として販売することも禁じる。違反すれば「2年以下の懲役か200万円以下の罰金」が科される。
と、
4月に導入された食品の放射性セシウム濃度の新基準値を上回る農林水産物が、限定的ながら岩手、宮城、福島3県で出始めている。旧基準値(暫定規制値)から大幅にハードルが上がったためだ。より厳しい独自基準を設けたスーパーなども目立ち、国は過熱気味の「低ベクレル競争」に自制を求め始めた。
レバ刺しを禁止してセシウムの独自検査の自制を求める、とか。食の安全を確保するために特定食品を禁止して、一方で食の安全を確保するための検査には自粛を要請する。

もちろん全然事情が違うわけだけど、何か共通のものが底流してる気がしてなりません。単に政策の整合性がない、ということでもないような気がしています。

これ以外にも、日本は精神科多剤大量処方国である一方で、大麻やマジックマッシュルームの使用には懲役刑を科す、っていうのも似たような違和感をおぼえます。どっちも向精神物質なのに。

これらに共通するのはなんだろか。

深夜のダンスも、レバーの生食も、大麻の喫煙も、たぶん人類との付き合いがとても古い。もしかすると全て有史以前からかも。で、一方の、公立学校や精神科病院、原子力の利用、これらは全て近代以降に始まったもの、しかも日本は欧米の真似をして一気に導入したもので、しかも富国強兵政策と密接に関係するもの。前者はずっと昔からあるのに禁止されて、後者は新しくて「先生」の指導のもとじゃんじゃんやることが推奨される。

国の発展のじゃまになるものは違法にして処罰して、国の役に立つものは管理しやすい形で強制する。これって国を統治する上では当たり前のことかもしれないけど、じゃまになるか役に立つかなんてものはシンプルに分類できるものではなくて、それを無理やり分類して不整合が生まれる、ということかな。

そして、そもそもは国民のための国家であるはずで、それが国家のための国民になってる、という目的と手段が反転していることもこれらに共通する違和感かな。

確かに、深夜のダンス、レバー生食、大麻、怖い部分もあるわけなんですけど、「先生」の言うことを聞いて自分の頭で考えることをやめること、これはもっと怖いですね。

で、最後に風営法といえば近田春夫のHoo! Ei! Hoo!ですが、ここでは大麻取締法違反で検挙された後、引退してお坊さんになったという噂のYou The Rock さんの「 Hoo! Ei! Hoo! '98 」。

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