白蕊の飛田新地

Untitled

つづく書道熱。臨書ばっかりしてるのもつまらない、創作がしたい、展覧会にも興味が出てくる、となってくる。

書道展や書道家のウェブサイトを見てみると、まぁ、なんというか、あまりの書道人口の多さ、層の厚さ、歴史の蓄積の大きさに驚き、ちょっとやそっと「これ、新しいんじゃないか」なんて思っても、そんなことは数百年前に誰かがすでにやってる、みたいなことになってしまうことはすぐに分かる。

書道作品の発表の場として、展覧会はあまりに競合が多すぎて、多少練習したくらいではまるでかなわない感じがするので出す気にもならないのだけど、書道層とウェブ層はそんなに重なってないらしく、ウェブ上での発表がいいんじゃないか、電通の関係のない唯一のSNSこと(本当かどうか知らないけど、そういう雰囲気は感じる)、Tumblr とかが良さそう、などと思い始める。

書道してると、今まで気付いてなかった日常生活の書道作品に目が留まるようになる。お寺の掛け軸や屏風はもちろん、醤油や味噌、和菓子、酒、焼酎、このあたりのパッケージにはほぼ100%に書が用いられていて、町の中でも、居酒屋さん、料理屋さん、着物屋さんの看板、いろんな雑誌や広告、いたるところに書があることに気付く。あと、お経の本の字なんかも全然気にしてなかったけど、活字じゃなくてきれいな毛筆で書かれてて目を奪われる。

そんな中、ふと目に止まった SHINGO☆西成の「飛田新地」。



これももちろん看板の字が目について仕方ない。看板はプラスチック製に見えるけど、ペンキで手書きかな、モダンな技術を使ってあるのかな、何にしても、角丸正方形の白地に黒文字だけのタイトなデザインにグッとくる。で、店の名前がどれもこれも書道ジェニック。どれも1~3文字の漢字や仮名で、半紙で練習するのにもってこい。しかも、どれもほのかに色っぽい言葉なのも、年寄り臭くなくていい。気軽に「いいね!」とかできない感じも素晴らしい。

セックスワークの歴史や倫理、周辺にある暴力や搾取や社会的不公平、こういうものについてどうのこうの言いたいわけではないけれど、というかそもそもよく知らないのだけど、とにかく、ここのお店の名前を書きたい、と思って書いてみた。


Untitled

聞き取れない、映ってない、ググっても分からない名前は割愛して、華、小松、笑福、椿、備前、長安、優美、相生、鳴門、瀬戸、祝津、香月、花蝶、採、はじめ、美里、恵方、若尾、はーと、小紫、萬力、くれば、うさぎ、鈴、光呂、若貴、月、蓮、牝鹿、川辺、和、笙、五山、さらさ、空、伸、結雅、杏、美姫、仁、夢、まき、桃源、妃亜羅、夢想、星輝、徳島、錦、小川、一碧、八重、楽喜、伽羅、萌え、智慧、永遠、龍子、ふじ、百番、播磨、洛西、湘南、紅羽、初音、田代、吉、夜桜、倫子、さつき、雛、希望、三都、吉原、春香、呼子、百香、北條、旬、美山、山翠、有馬、あやひめ、一角、わらべ、豆八、本福広、新福広、花鶯、万清、松鶴、阿南、田代、で92枚かな。

臨書に飽きて始めたのに、いざ自由に書くとなるとどう書いていいか分からない、書いてみても全然イケてない、ということで、王羲之だったらどう書くのか、欧陽詢だったら、高野切だったら、などとググってしまって結局ほとんど臨書になってしまったけど、楽しかった。

途中で見つけたiPhoneアプリ「王羲之四体千字文」も良かった。

あと、ここで使ってるTumblr の LUXURY THEME もかっこいい。€2.49で買ったので、せっかくなのでこれでいろいろ作りたい。

Popular posts from this blog

エクセル1行をテキスト1ファイルに

教師を授けられた

サンプリングと本歌取り