白と黒で振り返る
過去を振り返っている暇などありませんが、報告書を淡々と書く作業はやはり苦痛なのでちょっと息抜き。 写真ブログ5周年 記念事業ということで、5年間の写真を掘り起こします。大掃除をしているときに、写真アルバムに手を着けるとそこで掃除が終わってしまうという経験はよくあることですが、デシタル写真でもそれは同じこと。息抜きのつもりが息がつまるほどに集中してしまった、なんてことにならないようにサクっと振り返ります。とはいえ、5年分の写真からいくつかピックアップするのは大変な作業なのでテーマを絞ります。今日は白黒写真。 白黒写真、フィルム写真のように撮影前に白黒と決めているわけではありません。カラーで撮った後、画面上で白黒にしたりカラーに戻したりしてから白黒にした、というものばかりです。白黒にするというのは膨大な量の情報を捨てる作業です。「平均30歳(SD=10)」をわざわざ「30歳以上が半数」に書き換えるようなものです。なんでそんなことをするのかというと、「30歳以上」であることに意味なり表現したいことがあるからということですが、これは写真の話、いちいち言語化された意図があるわけではありません。そのあたりに注目しながら、報告書を書きながら、振り返ってみたいと思います。 綿棒、なんで白黒にしたかなぁ。道具は生活感の滲むものとそうでないものに二大別されるわけですが、綿棒って分類が難しいポジションにいるんですね。カラーにすると光の色が伝わるわけですが、暖色だとアットホームな感じ、寒色だと医療現場みたいな感じ、そういう情報が付与されてしまうんですね。そういう情報を省きたかった、綿棒そのものに注目したい、そういう気持ちが白黒にさせたんだと思います。ほんとかよ...。 研究所の喫煙所。屋外に放置されてるスチール棚の上のトカゲです。錆びてて茶色い天板に、トカゲも子供なりに擬態して茶色かったように思います。せっかくの保護色を白黒にして台無しにする、そういう写真です。 写真は時間を止めます。時間を止める道具で時間の流れを撮るっていうのは、断面図で奥行を表現するとか、平面上で立体を表現する、みたいなことで、ちょっとした難題です。平面で立体っていうと、等高線で地形の起伏を表すなんていうのがあって、等高線の間隔で傾斜が表現できるわけですが、この写真は、露光時間内に移動する距離の違いで時間の流れの早さを