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先日シロシベ号の車検に行ってきました。待合室においてあった車雑誌をパラパラ見ていて、なんとも言えない気分、というか吐き気にも似た不快感を感じていたのですが、その理由がちょっと分かったような気がするのでメモ。

欲しい車がないんですね。「躍動するラグジュアリ」も「スマイル」も「未来」も「変わらなきゃ」も「誰も追いつけない」もどうでもよくて、淡々と質素に、ニヤニヤしてないで真顔で、毎日、安定して動いてくれる車がいいんです。追いついて追いぬいてくれていいし、道とか譲るし。で、具体的にどういう車がいいかというと、タクシーとかで使われてる車がいいんじゃないか、って思うんです。で、あれは何ていう車なのかと思ってググッていたら、大変共感できる文章を見つけました。

パトカー、タクシー、教習車、自衛隊、官公庁、自治体の公用車両、こうした公的な使用においては、その公共性や保守性から、コンベンショナルなデザインのセダンのかたちが好まれ、かつ ”豪華さ”や”奢侈”な印象を与える装備をそぎ落とすことが求められた。その一方、プロの仕事道具として、耐久性、整備性、経済性など実用性能が厳しく問われた。余計な装備はとことんそぎ落とし、そのデザインはどこまでも没個性、その名のとおり究極の”普通”の外観をまとって街の景色にとけ込み、任務を全うする。…(中略)...気が付けはどこまでも個性的デザインを追い求め、これでもかという過剰な装備を詰め込んできた車業界のトレンドに食傷ぎみの我々にとって、このスタンダードのストイックで潔いポジションは今とても新鮮でクールに映る。
そうなんです。ストイックで潔い車が欲しいんですね。で、具体的には、トヨタ・コンフォートとか、日産・クルー日産・セドリック営業車です(下の写真はセドリック)。
で、これらは商用車なのですが一般人でも買えて、というか、買う時はシロシベ名義で買うのでむしろお似合いなのですが、こういう車って燃料がガソリンじゃなくてLPGなんですね。LPGってガソリンスタンドで給油できなさそうなので、これは不便だなぁ。。。と思ったのですが、なぜプロが使うストイックな車がLPGで一般人はガソリンなのか、と考えるとこれはちょっと不思議な感じがします。

同じ事を疑問に思う人はいるようで、OKWaveに「プロパンガスの車を一般向けに作らない理由」の質問がありました。
タクシーは殆どプロパンガス車です。プリウスのタクシーに乗ったときに聞くとハイブリッド車の中でも最も燃費の良いプリウスと比べてもプロパンガスの方が燃費は良いと言います。その後、車の修理屋さんやタクシーに乗るたびに聞いてみましたが、一般向けに売れない理由はないと言います。デメリットは少しパワーが落ちる、トランクが狭くなるなどはあるにしてもエンジンに対してはずっと良いと言います。技術的には町の修理工場でも改造できる程度のもので、メーカーなら簡単に出せるはずのプロパンガス車を一般向けに出さない理由は何でしょうか。修理工場で聞いた限りでは、量産すればコストも変わらないと言います。
で、たくさんの回答が挙げられていますが、結局のところどれも納得できなくて不思議な感じです。そして、この無駄に喧々諤々な雰囲気、「原子力発電所は安全なのになぜ東京に作らないの?」への回答の雰囲気と似てるような気がして、何となく既視感を覚えるのですが気のせいでしょうか。まあ、それはさておき、ググってて「へぇ」と思ったことをまとめると、 

  • LPG車は低ランニングコスト。 
  • LPG車のエンジンの基本構造はガソリンエンジンと差異はなく、LPG車への改造は町工場でできるようなこと。なのに日本のメーカーは一般向けに売り出さない。
  • プロパンは台所のコンロで燃やせる程度にクリーン。LPG車は都市環境(NOx、CO)に優れ、CO2発生量(ガソリン車比約−10%)が少なく、出力もハイオク車並み(新しいものでは)、黒煙・浮遊粒子状物質(SPM)排出がゼロ。 
  • イタリアでは130万台程のLPG車が普及、他にもポーランド70万台、オーストラリア60万台、ロシア50万台、....世界ではLPG車はクリーンエネルギーの代名詞となりつつあり、欧米では、LPガスはCNGやバイオ燃料と同様代替燃料に定義されている。 
  • 日本では、環境省・国交省・経産省の3省が「低公害車」と呼ぶ車種にLPG車がなぜか含まれていない(エコカー減税などの対象にならない)。 
  • 日本のLPG技術は世界最高レベルにあるのに普及が進まない。 
  • 韓国ではLPガス(プロパンガス)の環境性と経済性に高い評価が集まり、わずか2〜3年で100万台に届く勢いで普及、スウェーデンのボルボ社では2001年から全ての車種にLPG自動車を設定し世界中で販売を開始、フランスのルノー社では12車種を設定しヨーロッパで販売している。自家用車としての利用が大半。
  • 日本に輸入したLPGが最近余剰気味で、他国に転売したりもしている。 
  • 埋蔵量も豊富。可採年数は石油より大きく、採取場所が中東に偏らず、日本を含む世界中で採れるので供給が安定。 
  • Liquefied petroleum gas=液化石油ガスという訳され方が、「石油のガス」という誤解を生んでいるが、実際には多様なソースをもつ。
小田政幸氏のこの文章(PDF)、お暇な方はぜひ。

「エコ」とか「クリーン」とか「埋蔵量」とか、どれも素直に信じられない言葉になっていて、やっぱ、なんというか、「石油利権」という言葉が浮かんでしまうのですが、実際のところどうなんでしょう。車のことはよく知らないけど、ハイブリッド車ってなんとなく納得ができなくて、確かに燃費はいいのかもしれないけど、部品数が多くて車体重量も普通の車より格段に重い車って、あんまりエコな感じがしないんですけど、これって、石油メジャーのご機嫌を損ねない範囲での苦肉の策としてのエコなんじゃないか、とか、日本の省庁が一般向けLPG車をエコ・カー認定しないのは石油利権への配慮なんじゃないか、とか、いろいろ勘ぐってしまいますね。「ガソリンがないと困るでしょ?」キャンペーンというか、「オールガソリン車フェア」絶賛開催中というか。気のせいかな。

最近読んで印象に残った、ナオミ・クラインの「ウォール街を占拠せよ」でのスピーチ
私たちがみな知っているように、あるいは少なくとも感じているように、この世界は逆さまなのです。私たちは、実際には有限であるものに対して、まるで尽きることがないかのように振る舞っています――化石燃料とその排出物を吸収する大気中の余地のことです。そして私たちは、実際には豊富であるものに対して、まるで厳格で不動の限界があるかのように振る舞っています――私たちが必要とする種類の社会を構築するための財源のことです。
いやほんと、お金は生きるために使う物ですからね。。。

でまあ、個人的に何ができるか考えると、余計な物は買わない、良い世の中につながると思うものにお金を使う、だと思うんですけど、今度シロシベ号をリニューアルする時は(いつになるか分からないけど...物を長く使うことも大事ですからね)、選べる車種の選択肢が減るけど(っていうか、そもそもかっこいいと思った車がLPGだったわけなので)LPG車にします。

超タイトでクール。。。

偽パトカーみたい。。。

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