インドに行ってきた

インドに行ってきた。

インドといえば仏教のルーツ。お釈迦さんを生んだ国としてのインドが最初の接点だと思う。子供の頃、お寺の本堂の壁にかけてあった涅槃図の気色悪さは今でもよく覚えてて、生まれて最初に触れた異国情緒はインドだったかもしれない。

次は高校の数学の先生の話に出てきたラマヌジャンかな。ゼロの発見とか、十進法とか、アラビア数字の起源とか、インドの数学はすごいっていう話が印象に残ってる。

で、次は、藤原新也の「メメント・モリ」鬼海弘雄の「INDIA」に感動してガンジス川に憧れる。

で、最近だと、GoogleのCEOのピチャイとか、MicrosoftのCEOのナデラとか、ペプシのCEO、ドイツ銀行の元Co-CEO、NokiaのCEO、シティグループのCEO、マスターカードのCEO、Standard & Poor's のCEO...、名だたる企業のCEOがインド出身者で話題になってる。ソフトバンクの孫正義の後継者として名前が挙がってたアローラもインド出身。

僧侶としても、理系出身としても、写真好きとしても、CEOとしても、インドが気になって仕方ない。というわけで、インドに家族旅行に行ってきた。3日間でデリー、ヴァラナシ、アグラを駆け足で。

本当はバックパッカーみたいな感じで安宿に泊まる旅がインドを満喫できるんだろうけど、子連れなので日本の旅行代理店経由で頼んだ現地ガイドさん付き、 ホテルはきれいなところで、移動もほとんど貸し切りの車、という大名旅行みたいな3日間のツアーだった。



うわさの野良牛。ほんとにいたるところにいて、他にも、山羊、豚、猿、犬、リス、人間、見事に混ざり合ってて、ごく自然に一緒に生きてる感じが素敵だった。こんな感じだと臭そうなものだけど、確かに臭いんだと思うけど、どこでもお香を焚いてて、香辛料、排気ガス、砂埃、汗、川、全部の匂いが強烈なので牛の匂いなんてまるで感じない。ピンクの首巻きをしたおじさんおしゃれだ。



道路も印象的だった。自動車、バイク、リキシャー(人力車)、オートリキシャー(PIAGGIOのApeみたいなやつ)、自転車、歩行者、牛、みんなグチャグチャで、舗装もグチャグチャで、みんな呼吸するようにずっとクラクションを鳴らしてて、車間距離ほぼゼロ、10センチ隙間開いたら割り込む、みたいな感じで、みんな運転が上手というのかなんというのか...。バイク、一応法律的には二人乗りまでしか許されてないらしいけど、3~4人乗りは普通で、6人乗りまで見た。ものすごくシートの長いバイクをインドで売ったら売れるんじゃないだろうか。

インド進出に最も成功している自動車メーカーはスズキだそうで、確かにスズキだらけだった。あとは、トヨタ、TATAっていうインド国産車、ヒュンダイ、時々欧米の車を見かける感じ。これについてのスズキの鈴木会長のコメントが、
よく『スズキさんは先見の明があって素晴らしいですね』などと言われる。冗談じゃない。先見の明なんてどこにあるかって。本当は、我々だって大手と同じように先進国に進出したかった。しかし、先進国の中で小さなクルマを造ってほしいと言ってくれる国はどこもなかった。別に先見の明があったわけではない。行くところがなくて、仕方がないからインドに行ったのだ。
インドもスズキもなんだかいいなぁ...。



あと、オレンジ色の服を着ている人がたくさんいるのだけど、これはガンジス川で汲んだ水を地元に持って帰ってシバ神に奉納するというヒンズー教のお祭りで、みんなポリタンクを天秤棒でかついで、遠い人だと数百キロを裸足で徒歩で往復するのだそう。お祭りの名前を聞いたけど忘れてしまった。これだけ大規模なお祭りなら後でググればわかるだろうと思ってたけど、わからない...。さすがインドだ奥深い。(後日、ガイドさんが「シヴァラートリー shivratri 」だとLINEで教えてくれました。



写真じゃ全然伝わらないけど、車とバイクはクラクション鳴らしっぱなし、店からは大音量のエキゾチックな音楽、オレンジの服の人たちは大声で掛け声、まさに喧騒。そして、ところどこに牛が静かに寝てて、しょうもない絵葉書やブレスレットを売りつけようとする老若男女が前後左右から珍妙な日本語で話しかけてきて、5人乗りのバイクに轢かれそうになりながら、ずっとついてくる。



そして憧れのガンジス。



雨季で水かさが増してて、ボートが使えないそうで岸に繋がれたまま。沐浴ってもっと静かなものかと思ってたけど、お祭り中だからなのか、小学校のプールみたいに水かけあったりしてて楽しそう。そりゃ数百キロ歩いてやっとたどりついたガンジス、盛り上がるだろうなぁ...。で、僕もせっかくなので、ガイドさんはやめて欲しそうだったけど、服を脱いで沐浴してきた。川の水でうがいする度胸はなかったけど。



まさに異文化って感じなのだけど、みんなスマホで写真撮り合ってたり、オレンジの服がアディダスだったり、やっぱり同世代だ。ポケモンGOのジムにはわりと強いモンスターが配置されてて、何がすごいんだか分かんないけど、なんだかすごい。



ガンジスのほとりで剃髪するのは何か宗教的な意味があるのかな。深い理由がありそうでなさそう、なさそうでありそうなのがインドだ。



で、アグラ城、タージ・マハルにも行ってきた。ムガル帝国の5代目の王様が300人いる妻の中で一番のお気に入りだった一人だけのために建てたお墓がタージ・マハルだそうで、白い大理石のお城はなんとも豪快だ。



で、結局、お腹をこわすこともなく無事に帰ってきたのだけど、インド、なんなんだろうなぁ。豊と貧、古と新、静と動、美と醜、虚と実、聖と俗、生と死、全部ぐっちゃぐちゃに混ざってて、というか、そもそもそんな分け方がどうでもよくなるというか、とても刺激的だった。

小2の娘には事前にタージ・マハルの写真だけ見せていたので、てっきりきれいなお城を見に行くものだと思っていたらしく、「臭い!暑い!眠い!思ってたのと違う!」と終始ご立腹だったけど、インドおすすめです。

👇 写真他にもいろいろあります。 India

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