福島に行ってきた(その1)

「山形県鶴岡市での調査に行ける人がいなくて困ってるんだけど、行ってくれないかな...。」というメールをもらい、ついに東北に行く用事ができたとふたつ返事で引き受けて、3月2日~4日に行ってきた。

滋賀から鶴岡までの経路を調べてみると「寝台特急日本海」という素敵な夜行列車があってこれに乗れたら素敵だったけど、この3月のダイヤ改正で廃線になるということで鉄道ファンが押しかけたのかすでに満席。仕方なく羽田経由の飛行機で山形入りすることにして、帰りも飛行機を使うのが時間的には最短経路だったけど、どうせ前後泊して移動に半日使うんだったら寄り道したいということで、今一番気になる場所、福島に寄ってきた。

気になるというのはもちろん原発事故のことで、事故現場の現状、汚染の状況、健康被害、経済被害、補償、原発の背景や歴史、これからのエネルギー政策、いろいろと気になることがあるけど、中でも一番気になるのは今福島で暮らしている人たちの様子。いろんな苦悩や葛藤を文章や映像で伝え聞くけれど、実際のところどんな感じなのか知りたくて、でも、知ったところで何ができるわけでもないだろうし、興味本位で訪れて福島の人たちは不愉快に思わないだろうか、そもそも1泊したくらいで何かが分かるとも思えないし、などと躊躇しつつ、ま、仕事の帰りに立ち寄ってお酒を飲んで散歩するくらいだったらいいか、と。

3月2日に出発で羽田から庄内空港に行ってバスで鶴岡に移動、翌3月3日が調査。終わってすぐに電車に乗って、羽越本線で余目(あまりめ)、 陸羽西線で新庄、山形新幹線で福島へ。奥羽山脈越えの陸羽西線、車内アナウンスで「運転手の後ろのドアしか開きませんのでご注意ください。」と。どういうことかと思ったら、駅のプラットホームに雪が積もっててドアを開けても降りれないんですね。驚いた。

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調査が予定よりだいぶ早く終わったため福島駅に到着したのが20時前。ちょっと緊張しつつ電車から降りて、予約していたホテルに向かって歩いて移動。

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ホテルにチェックインして「福島からありがとうキャンペーン」のパンフレットを渡される。
あなたが遊びに来てくださること。
それが、ふくしまの私達にとって何よりのエール。
と書かれてて、用事もないのに遊びにいったりしていいのかという心配が消えてちょっとホッとした。



ご飯を食べに街に出て、目的のお店や食べたい物が特にあるわけでないのであてもなくブラブラ。町を歩く人たちにマスクをしている人はあまりいなくて、空間線量が高いことは体で感じるものでなく、事故の影響はパッと見た感じ何もない。以前の福島駅前を知らないので何とも言えないけど、極端に人が少ないとか雰囲気が沈んでるってこともなく、お店からは酔った人たちの笑い声が聞こえてくる、普通の土曜の夜の地方都市、といった風情。

「焼餃子、すごかったね~」と言いながら餃子屋さんから出てくる人たちがいてその満足気な表情を見て餃子屋さんに決定。



入ってメニューを見ると、1皿のデフォルトが20個らしく、一人でそんなに食べれるか尋ねてみたら、「はい、ぜんぜんいけますよ。初めての方には、『焼』と『水』の10個10個をおすすめしてます。」と。すすめられるままに頼んで20個、ダイエットしてる人にはちょっと多い。とてもおいしいんだけど、カロリーだけじゃなくてベクレルという単位が頭をよぎってしまうのが本当に残念。

帰り際、「遠くから来られたんですか?」と聞かれ滋賀県と答えると、「ちょっと、滋賀県からですって!ちょっとちょっと!」とお店のスタッフの皆さんが呼び集められて、「滋賀県?ああ、それはそれは。いやねぇ、滋賀県の方、よく来てくださるんですよ。ほんとお世話になってます...。」と満面の笑顔で歓迎して下さる。聞けば、滋賀県庁の職員がたくさん福島県庁に派遣されててその方たちがよく来店するとか、朝日新聞の大津局の記者がちょうど昨日来たとか、とにかく滋賀の人がよく来てくれる、とのこと。関西広域連合の被災地支援、滋賀の担当が福島なんですね。

で、地元の人と話したくて、バーへ。

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