福島に行ってきた(その3)

(その2)からのつづき 

3月4日、二日酔い、というか酔ってる状態で朝8時過ぎに目が覚めた。特に行き先は決まってないけど、シャワーして出かける。すごくいいお天気。まずは、スーパーマーケット行ったり、駅ビルの中見てみたり。パッと見はほんとに何もなくて、子どももたくさん歩いてて普通の街に見える。

だけど、公園の土がはがしてあったり、↓こういうポストがあったりする。

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「0.371 μSv/h」と表示されているこの機械、文部科学省が試験運用中の「リアルタイム線量測定システム」で、この2月に福島県内の2,700箇所に設置されたもの、かな。
ううん...。ずっと外にいたとして、0.371 μSv/時 * 24(時) * 365(日) = 3.25mSv/年。上のウェブサイトを見てみると、市内でもこの5倍くらいの場所がいくつかあって、それだと15mSv/年。これは空間線量だけなので、さらに食べ物や水、チリの体内摂取による内部被曝も足されていくんですよね。で、この数字がどれだけ危ないのか結局分からないわけだけど、自分の家の前にこれがあってこの数字が表示されていたら、どうするのかな...。子どもは遠くにやるとしても、シロシベはどこでもできるのでいいとして、お寺とか地域のつながりとか歴史とか、動かせないですからね...。懸念される健康被害が全て杞憂に終わったとしても(そうはとても思えないけど)、すでに起こっていることだけで十分ひどいな...。

人気のない公園で考えていても仕方ないので、環境省と福島県が運営する「除染情報プラザ」に寄ってみた。画像検索するといくつか写真が出てくるけど、ゴム長靴とかゴム手袋とかほうきとか熊手とかちりとりとかブラシとかケルヒャーの高圧洗浄機といった除染グッズ(つまり掃除用品)、書籍やパンフレットが陳列してあって、放射能汚染に対して人間がいかに無力であるのかが痛いほどよく分かった。

で、散歩も疲れたので、というか、前夜に飲み過ぎて辛いのでもうそろそろ帰ろうかと思うけど、まだ時間が早いし、せっかくここまで来てるので記念に何か買い物でも...、と思い始める。とはいえ欲しい物といえば、新しいシロシベオフィスとか、素敵なバーとかサウナとか(経営するという意味)、旅先でノリで買うものではないので、というか、買えないので、ううんと考えこむ。

考えこんで足元を見ると、ズボン(っていうかパンツ、っていうかズボン...。「ズボン」も「パンツ」も口に出すのが恥ずかしい言葉になってるけどどうすればいいのかな)が色あせてて裾がビリビリになってて何とも小汚いので、服を買って帰るといいんじゃないか、と思いつく。ちょっとググるとJUNYA WATANABE こと渡辺淳弥が福島県出身であることを知り、もうこれはギャルソンの服を福島で買って帰るしかない、というわけで、郡山に移動して、Time After Time というお店へ。びっくりするくらい大好きな品揃え。↓買ってしまった。

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で、郡山から新幹線に乗って、東京経由で滋賀に戻ってきた。

考えても仕方ないし、言っても仕方ないし、どうしていいか分からないのでつい黙ってしまうわけですが、昨日見かけたツイートで、

もし本当にそうだとすると怖いことだし、単純に関心がなくて言及がないのだとしたらもっと怖いし、というかそもそも、五感で感じることができない上にリスクが不明の物がばらまかれてる状況が怖いし、さらには、このような事故が起こって直面させられた自分の無知や社会の闇も怖いし、ともすると目を背けて何事もなかったかのように暮らしてることも怖い。まぁ、だから黙ってしまうわけだけど、黙る以外に何かできないかな...、と考える3月8日。もうすぐ1年なんですね。

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