RSSと固定ページと流れるページ

仕事で趣味でウェブサイトをよく作ります。人と一緒にウェブサイトを作る作業は、楽しくも辛いものです。

僕がいいと思うサイトとそのサイトの主がいいと思うサイト、最初からぴったり一緒なんてことはあり得なくて、いろいろ違います。双方の作りたいものが違うとき、とても大きなストレスを感じるわけです。ここで、「はいはい、わかりましたよ、そうすりゃいいんでしょ。」なんつって投げ出して言われた通りに作ってしまうときもありますが、ここでたっぷり時間をかけて説明して、先方の意見をちゃんと聞いて、思いがけない代替案が出てくる時や新しい手法に気づく時がとても楽しい時間です。ここでのコミュニケーションは、その人が何を伝えたいのか、何を大事にしているのか、なんてことを目に見える形にする作業でもあり、発見がたくさんあります。

ボタン1つからマージンの数ピクセルにいたるまで、いろんな場所で、意見の相違があり、いつも同じような説明を繰り返すことになってしまうので、こういうのはブログに書いといて、「詳しくはここを見てください」と言えたら便利だろうな、ということで、今日はWordpress (WP) や Movable Type (MT)といったブログシステムを使う場合の、固定ページとブログ記事の使い分けについて考えます。

サイトを作り始める前に、更新頻度が高そうで、ご本人に更新をお願いすることができそうな場合、WPや MTを使ってサイトを作ります。これらはブログのシステムです。ブログなので、最新記事が上に、古くなると下へ下へ流れていって、アーカイブにたまっていきます。各記事には個別のページが作られて、個別のURLが与えられます。WPやMTでは、これとは別に、流れていかない固定ページを作ることができます。

たとえば、シロシベのサイトでいうと、右上にトップメニューがあって、「about」と「contact」のページは流れていかない固定ページ、「portfolio」では最新記事が一番上に表示され古くなると流れていくブログです。ブログの各記事のタイトルをクリックすると各記事の個別ページです。


一般的にブログには、蓄積性と即時性という2つの大きな魅力があります。蓄積性、記事が日時と結びついて整理されてたまっていくうえに、google などの検索エンジンが自動的にコンテンツをクロールしてインデックス化していってくれるので、フォルダの階層をきれいに分類して整理して、なんてことをしなくても、きれいに整理された情報が蓄積されて、キーワードを少し覚えていればググって探している情報に1秒もかからず辿りつけます。で、即時性。更新したらすぐ反映される、ということもですが、RSS配信によって、RSSリーダーはもちろん、mixi やfacebookなどに更新情報が自動的に伝わり表示され、リンクされます。すぐに伝わる、過去に伝えたことが溜まっていく、このあたりを自動的にやってくれる仕組みがブログです。

で、WP やMTで、何を固定ページにして、何をブログにするか、を考えます。ケースにもよりますが、固定ページに置く情報は、基本的にプロフィールと連絡先です。プロフィールには理念や沿革、主な業績、ごあいさつ、なども含まれるかと思います。資料の公開を目的にする場合には、「ダウンロード」ページなどを設けて配布している資料の「まとめページ」を固定ページで作るのもいいかもしれません。他はRSS配信されるブログで書くべきです。

RSS(フィードって呼ぶのが適切なのかな)、説明が難しいのですが、詳しいことは各自調べていただくとして、要するに新着情報を読者に届ける仕組みです。RSSリーダーに登録しておくと、リーダーが登録してあるサイトを巡回して新着情報がある場合にその情報をひっぱってきてくれる、というものです。たとえば、このブログですが、

こんな感じで最新記事が一番上に表示されているので、サイトに直接アクセスすれば更新されているかどうかはすぐ分かるわけですが、いつ更新されるかは分からないため、訪問しても更新されてなかった、という空振りが起こってしまいます。それが、RSSリーダーに登録しておけば、

こんな感じで新着記事があればリーダー内に表示してくれます。って、こんな説明じゃ伝わらないなぁ。。。まいいや、続けますけども、今時、ブログをブラウザのお気に入りに入れて、時々アクセスして、「あ、更新されてる!」とか「更新されてないや...。」なんてことをしている人はほとんどいません。少なくともリピーター(サイトにとって最も大切な訪問者)はRSS経由でサイトを見ています。で、もっと重要なのは、RSSは人が読むためのものではなくて、機械が読むための言葉であるということです。RSSの情報は、ウェブ上のロボットによって、くっつけられたり、ソートされたり、いろんなところに運ばれて、再表示されています。僕の写真ブログでも、更新すれば数百のリーダーやSNSのページに新着記事が届くことになります。新しい情報はRSSに載せるべきです。

あと大切なのは、RSSがリーダーなどで読まれる時には、その見え方はブラウザで見る時とは大きく異なるということです。CSSで定義されたスタイルは外され、余白や幅も全然違います。リーダーで読んでもきれいに見える、っていうことを意識して書くのも大事です。まずは自分のブログのRSSをリーダーで見ることが重要です。

で、固定ページ。ウェブサイトの訪問者は、「本人」「知り合い」「知らない人」の3種類に大別されるわけですが、それぞれの立場から固定ページについて考えます。「本人」にとって便利な固定ページの使い方は、連絡先や連絡窓口を作っておく、主な業績をまとめておく、何か問い合わせがあった場合に「このページ見て」と言える感じの内容にしておく、といった感じでしょうか。「知り合い」は、RSSで最新情報をチェックしてくれることが多い人たちですが、知り合いのプロフィールを何度も眺めて楽しいことはあまりなく、連絡先も知っていることが多いので、まあ、実際に見ないものです。知り合いにとって便利なのは、あの人の最新の肩書ってなんだっけ、所属機関の正式英語名称なんだっけ、とか、そういう時です。なので、細かく書かれていると重宝します。で、「知らない人」ですが、知らない人は検索サイトからやってきます。何かの調べごとをしていて、検索結果でピンときて訪問する人たちです。その場合、興味があるのは、このページは誰が何のために作ったのか、信用出来るのか、問い合わせはどこにすればいいのか、といったところでしょうか。プロフィールのページに写真を載せたりすると、親しみを持ちやすくなる、信用しやすくなる、フィードバックが得やすくなる、なんてことがあるかもしれません。

というわけで、変化しないエッセンシャルな紹介を固定ページに、他は全部ブログで、というのが基本かと思います。

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