シロシベの研究助成の理由



昨日スライドだけアップして中身の説明をしてないので、その場にいらっしゃらなかった方へ向けた補足と、あと昨日言うつもりをしてて言いそびれたこともついでに追加します。シロシベの研究助成の話です。

ちょっと夢のある話を入れたいというのと、表現してしまったほうが実現可能性が高まる、ということで入れたスライドです。なので、今すぐ募集を始めるとかそんな具体的な感じの話ではまだありません。

このようなことをやりたいと思う理由は、営利企業といえども社会貢献することが使命だと思うので、何かちゃんと行動したい、というのが最初の動機です。精神保健領域の研究事業への助成を通して、学術、医療、福祉、文化の向上に寄与する、ということです。で、もちろん、こんな美しい動機だけではなくて、他の動機もいろいろあります。

募集要項などはこれからちゃんと考えないといけないのですが、譲れない部分としては、僕自信がその研究に参加する、という部分です。他人の研究資金を単に提供するぐらいだったら慈善団体に寄付したり納税したほうが手間もかからず有益かもしれません。で、昨日のお話では、「100万円と書いてはいるけど、実際には、そのうち90万円くらいはシロシベクーポンかもしれません」なんてことを言っていたのですが、あくまで僕が参加できる研究への助成です。実態は、助成の名を借りた「共同研究者と素敵なアイデアの募集」です。

昨日のシンポジウムでは、研究者の Proactive / Reactive な仕事という話があったのですが、この言葉を借りると、シロシベが Proactive な仕事をするための仕組み作りです。研究は、研究者自身の知的好奇心に基づいて行われるものや社会の要請によって行われるもの、いろいろあります。厚労省系の研究機関であれば厚生労働行政の政策立案につながる研究が求められ、民間企業の研究機関ではその企業の経営戦略に応じた研究が求められると思います。なので、研究者といえども組織のメンバーであるので、研究者自身の内発的な動機に基づいた仕事が後回しにされがちで、Reactive な仕事が大きな割合を占めてしまいます。

シロシベなんて研究下請業者なので、油断すると100% Reactiveな仕事になってしまいます。もちろん、下請にはクリエティビティや主体性を発揮する場所がないかっていうと、そんなことは全然なくてとてもたくさんあります。とはいえ、一番大事なリサーチクエスチョンの部分に選択の余地はありません。なので、そこの部分からいろいろ口出しできる仕事を作りたいというのが、この「助成」の大きな動機の一つです。

あと、シロシベには、倫理委員会も文献へのアクセスもスーパーバイズしてくれる先生や先輩も社会的な認知も信用もありません。そういうのがある組織に属している人と一緒じゃないと研究を行うことが非常に困難です。なので、一緒にやってくれる人を募集します。

さらに、これは税理士さんに聞いてみないと分かりませんが、節税にもなるんじゃないかとにらんでいます。会社の利益には4割の法人税がかかります。シロシベから僕に給与を払うとそこに所得税がかかります。会社が必要なものを会社の経費として買うとそこには消費税しかかかりません。税率は法人税>所得税>消費税なので、会社の経費を大きく利益を小さく、経費の中でも、給与以外の経費を大きく給与を小さく、というのが一人会社の節税だと理解しています。言い換えれば、僕がやりたいことをシロシベでやる、のが節税です。で、この「助成」ですが、助成自体が経費扱いできるのか知りませんが、実際にシロシベが資金を出してシロシベの業務として研究をするわけで、きっと経費扱いになるんですね。細かいことは今度税理士さんに聞いてみて作戦を立てます。

というわけで、「助成」を行う理由ですが、美しいものからケチ臭いものまでいろいろありますが、とても素敵なプランだと思うわけです。昨日の同窓会でも、意外と年配の先輩から評判がよくて、ほんとに実現させたいと思うようになりました。

で、昨日言いそびれてしまったことですが、シロシベがどのような研究に「助成」したいか、です。
その研究を行う前より行った後で、研究対象がより愛しくなるような研究

です。誰の言葉か忘れましたが、知識とはそれを手に入れる前と後で世界の見え方が変わるもののことである、っていうのがあって、ほんとにその通りだと思うんです。そして、知ることは好きなることとそっくりです。よく勉強嫌いな子どもが「こんなこと知って何になるの?」と言いますが、それは知ると好きになるからです。人を知れば人を好きになるし、言葉を知れば言葉を好きに、世界を知れば世界が好きなるからです。好きな世界の中で生きていたいから知りたいんだと思います。そしてシロシベの使命は「新しい世界観を提案すること」です。「新しい世界観を得る」ということは「新しく知る」ことです。世界の見え方が変わる研究、この世界がより愛しく見えるような研究、そういう仕事をしたいと思います。

後半だいぶ深夜のノリになってますが、まあ、恥ずかしがらず出すことに決めていますので、このままパブリッシュ。

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