規則
今日のテーマは「宗門法規」です。今日の講師は、本願寺のなんとか部長という事務方の偉い人です。主な内容は、教団の規則、教団組織、宗教法人法、の3つです。
今年法人を作っているので、宗教法人法などには興味が全くないってことではありません。今年は法人という言葉がやたら登場します。
浄土真宗本願寺派には様々な組織と規則があり、講義では教団を国にたとえて説明されます。憲法の前文にあたるのが宗制、憲法が宗法、法律が宗規、・・・、国会が宗会、内閣が総局、司法当局にあたるのが監正局・・・って感じだそうです。配布された組織図、とっても難解です。縦と横が入り組んでるっていうか、それぞれが従属関係でも並列関係でもない、みたいな。わかりやすいところでは、
浄土真宗本願寺派(包括宗教法人)
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|― 本山本願寺(京都堀川通の西本願寺)
|― 直属寺院(築地の本願寺など46別院・19教堂)
|― 一般寺院(全国の10300寺院)
|― 門主(一番偉い人、親鸞の末裔)
|― 宗会
|― 総局
|― 監正局
|― 勧学寮
|― ・・・
って感じですが、実際にはそれぞれが両矢印でもっと複雑に結ばれています。宗派全体で大きな法人なのですが、それに属する個々のお寺も独立した法人格を持っていて、宗派全体の法人に包括される、という法人です。よく分かりませんが、個々のお寺は子会社みたいな感じになるのかなぁ。ちょっと違うかなぁ。こう見ると、一般寺院と本願寺と門主が並列になっているように見えますが、実質的には本願寺派と本願寺は一体になっていて、門主は本願寺や直属寺院の住職なので、ま、とにかくややこしいです。
で、法人なので、法人の規則を定めて所轄省庁(都道府県知事、法人が県をまたぐ場合には文部科学大臣)の認証を得る必要があって、本願寺派が包括宗教法人として文科大臣の認証を受けている規則が宗規、各寺院が単位宗教法人として認証を受けている規則が寺則。とはいえ、日本に法人という言葉ができるずっと前からある団体なので、各種規則は明治になって後付けで作られたものです。さらに、今の宗教法人法が制定されたのが昭和26年なので、多く規則はそれに合わせて戦後に制定されたものです。
たとえば宗法を見てみると、
って感じでとても現代的です。
宗制の方はもうちょっと迫力があって、
っていう前文から始まります。歴史の教科書に出てくる人がこういう今も現役で使われてる文章に出てくるとちょっと驚きます。本当にいたんだ、っていうか何ていうか、当たり前のことですが、歴史って今につながってるんですよね。ところで、シロシベの定款にも前文とか書いてもよかったのかなぁ。「発起人は思春期にスチャダラパーのリリックにいたく感動し・・・」とか何とか。理念が命の会社ですからね。公証人に失笑してもらえたかもしれません。
で、それぞれの規則の内容に入ります。へぇ、って思ったのが「門主無答責」です。門主は責任を問われない、という意味です。宗教法人法では、
と規定されていて、通常ならば門主が代表役員ということになりそうなものですが、その場合、たとえば訴訟などがあった場合には門主が被告になってしまいます。そういう事態は避けたいということで、総長という別の人が宗教法人法上の代表です。総長は宗会の選挙で選ばれ門主が任命する、ということだそうで、総理大臣は国会で選ばれ天皇が任命する、と似ています。一般寺院では住職が代表役員です。
あとは、「勧学寮」っていう機関があるんです。これは、宗会(立法)や監正局(司法)と並んで門主に直属する機関です。「宗意安心に関する門主の諮問に答申し、及び教義に関する重要事項を審議するため」の機関です。要は門主のブレイン、国で言うと内閣官房みたいなことでしょうか。違うかな。で、浄土真宗には、学階という制度があって、
という階級があるんですね。で、仏教学や真宗学に関する筆記試験、論文審査、口頭試問、などなどの審査を合格した者が階級を上がっていく仕組みがあるんですって。勧学寮の寮員は、勧学資格を持つ者の中から選ばれる8人、なんですって。へぇ、いろんな世界があります。でも、「学術論文を2本以上でなんとかかんとか...」とか、どこの世界も同じですね。
もっといろいろあったようにも思いますが今日はこのへんで。研修はあと3日、週明けに試験、もう少しです。
今年法人を作っているので、宗教法人法などには興味が全くないってことではありません。今年は法人という言葉がやたら登場します。
浄土真宗本願寺派には様々な組織と規則があり、講義では教団を国にたとえて説明されます。憲法の前文にあたるのが宗制、憲法が宗法、法律が宗規、・・・、国会が宗会、内閣が総局、司法当局にあたるのが監正局・・・って感じだそうです。配布された組織図、とっても難解です。縦と横が入り組んでるっていうか、それぞれが従属関係でも並列関係でもない、みたいな。わかりやすいところでは、
浄土真宗本願寺派(包括宗教法人)
|
|― 本山本願寺(京都堀川通の西本願寺)
|― 直属寺院(築地の本願寺など46別院・19教堂)
|― 一般寺院(全国の10300寺院)
|― 門主(一番偉い人、親鸞の末裔)
|― 宗会
|― 総局
|― 監正局
|― 勧学寮
|― ・・・
って感じですが、実際にはそれぞれが両矢印でもっと複雑に結ばれています。宗派全体で大きな法人なのですが、それに属する個々のお寺も独立した法人格を持っていて、宗派全体の法人に包括される、という法人です。よく分かりませんが、個々のお寺は子会社みたいな感じになるのかなぁ。ちょっと違うかなぁ。こう見ると、一般寺院と本願寺と門主が並列になっているように見えますが、実質的には本願寺派と本願寺は一体になっていて、門主は本願寺や直属寺院の住職なので、ま、とにかくややこしいです。
で、法人なので、法人の規則を定めて所轄省庁(都道府県知事、法人が県をまたぐ場合には文部科学大臣)の認証を得る必要があって、本願寺派が包括宗教法人として文科大臣の認証を受けている規則が宗規、各寺院が単位宗教法人として認証を受けている規則が寺則。とはいえ、日本に法人という言葉ができるずっと前からある団体なので、各種規則は明治になって後付けで作られたものです。さらに、今の宗教法人法が制定されたのが昭和26年なので、多く規則はそれに合わせて戦後に制定されたものです。
たとえば宗法を見てみると、
第一章 総則
(名称)第一条 この宗門は、浄土真宗本願寺派という。
(目的)第二条 この宗派は、親鸞聖人を宗祖を仰ぎ、・・・
・・・
(会計年度)第七十二条 この宗門の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする。
って感じでとても現代的です。
宗制の方はもうちょっと迫力があって、
宗祖見真大師親鸞聖人は、顕浄土真実教行証分類を著し、竜樹、天親、曇鸞、道綽、善導、源信、源空の七高僧の釈義を受け、仏説無量寿経の本義を開顕して、・・・本願寺は、その後いろいろな事情のために、近畿、北陸の各地に移転したが、天正十九年に、豊臣秀吉が京都六条に寺地を寄進したので、ここに寺基を定め現在に及んだのである。
っていう前文から始まります。歴史の教科書に出てくる人がこういう今も現役で使われてる文章に出てくるとちょっと驚きます。本当にいたんだ、っていうか何ていうか、当たり前のことですが、歴史って今につながってるんですよね。ところで、シロシベの定款にも前文とか書いてもよかったのかなぁ。「発起人は思春期にスチャダラパーのリリックにいたく感動し・・・」とか何とか。理念が命の会社ですからね。公証人に失笑してもらえたかもしれません。
で、それぞれの規則の内容に入ります。へぇ、って思ったのが「門主無答責」です。門主は責任を問われない、という意味です。宗教法人法では、
第18条 宗教法人には、3人以上の責任役員を置き、そのうち一人を代表役員とする。
と規定されていて、通常ならば門主が代表役員ということになりそうなものですが、その場合、たとえば訴訟などがあった場合には門主が被告になってしまいます。そういう事態は避けたいということで、総長という別の人が宗教法人法上の代表です。総長は宗会の選挙で選ばれ門主が任命する、ということだそうで、総理大臣は国会で選ばれ天皇が任命する、と似ています。一般寺院では住職が代表役員です。
あとは、「勧学寮」っていう機関があるんです。これは、宗会(立法)や監正局(司法)と並んで門主に直属する機関です。「宗意安心に関する門主の諮問に答申し、及び教義に関する重要事項を審議するため」の機関です。要は門主のブレイン、国で言うと内閣官房みたいなことでしょうか。違うかな。で、浄土真宗には、学階という制度があって、
得業 → 助教 → 輔教 → 司教 → 勧学
という階級があるんですね。で、仏教学や真宗学に関する筆記試験、論文審査、口頭試問、などなどの審査を合格した者が階級を上がっていく仕組みがあるんですって。勧学寮の寮員は、勧学資格を持つ者の中から選ばれる8人、なんですって。へぇ、いろんな世界があります。でも、「学術論文を2本以上でなんとかかんとか...」とか、どこの世界も同じですね。
もっといろいろあったようにも思いますが今日はこのへんで。研修はあと3日、週明けに試験、もう少しです。