二つの河の間の白く細い道

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研修3日目です。今日のテーマは「真宗教義・宗祖教義」です(「きょう」で変換すると「経」と出ました)。宗祖、つまりの親鸞の思想についてです。親鸞は800年前の日本人なので直接読める言葉も多くて、昨日の講義の内容に比べるとだいぶ近しい感じがしますが、それでも、いつどのように書かれたのかが不明である文章も多く、筆跡の分析で書かれた年代や順番を推測してたり、当然、書かれている内容も簡単に解釈がわかれる感じです。今日の講師は、教学伝道研究センターの研究員の方です。

前半は親鸞の著作物について、です。

親鸞が書き残したものはたくさんあります。漢文で書かれているものが、「顕浄土真実教行証文類」、「浄土文類聚鈔」「愚禿鈔」「入出二門偈頌」。和文で書かれているのもが、「浄土和讃」、「高僧和讃」、「正像末和讃」、「浄土三経往生文類」、「尊号真像銘文」、「一念多念文意」、「唯信鈔文意」、他にもたくさんの文書や、「ご消息」と呼ばれる弟子宛ての手紙やメモがたくさん残っているそうです。このあたり、試験に出ます。

親鸞といえば「歎異抄」なのかと思っていたのですが、これは親鸞の死後に弟子(唯円?)が親鸞の言葉を回想して書いたものだそうで、宗制の中では「聖教に準ずるもの」として親鸞本人の著作物とは同格に扱わないんですって。へえ。「口伝の真信に異なるを歎(なげ)き」つまり、口承で伝えられる教えが曲解されることを嘆いて書かれたから「歎異抄」なんですね。へえ。


後半は教義の中身に入ります。

今日の資料を見てみると、キーワードは、「往相・還相の二種の回向」、「教・行・信・証の四法」、「出世本懐」、「南無阿弥陀仏の六字釈」、「信心」、「信心正因」、「称名念仏」、「自力と他力」、「現生正定聚」、「涅槃」、「難思議往生」などなどです。それぞれさらっとかいつまんで説明できるとは思えないので今日は断念します。

親鸞に著作物に繰り返し出てくる「二河の譬喩(にがのひゆ)」というのがあります。大雑把に要約すると、

西に向かって旅する人がいる。
果てしない荒野を旅してきたこの旅人の周辺に人は誰もいない。
群賊悪獣が競い合ってこの旅人を殺そうとしている。
死を怖れて走って逃げてきた旅人の目の前に忽然と二つの大河が現れる。
南側に火の河、北側に水の河、それぞれ深く広く底も対岸もない。
その二つの河の間に細い一本の白い道がある。
南の河の水が道を濡らし、北の河の炎が道を焼いている。
道の上で水と火が交じり合っている。
そうこうするうち次第に群賊悪獣が近づいてくる。
道を進んでも戻っても進む方向を変えても止まっても死ぬしかない。
その時、東から声が聞こえる。
「西へ進め。」
西からも声が聞こえる。
「こちらへ来なさい。」
旅人は、振り返らず一心に白い細い道を西に進む。
西の岸に至り、永くもろもろの難を逃れる。

っていうお話です。で、親鸞自身がこの比喩について説明していて、東の岸はこの世、西の岸は極楽、群賊悪獣は異執・悪見・邪心、荒野は取るに足りない虚仮、水は貪る愛着、火は怒りや憎しみ、白い道は信心、東の声は釈迦の声、西の声は弥陀(大きな光)の声、って感じです。だいぶざっくばらんな要約です。

極楽とか弥陀とか邪心っていう言葉をどう解釈していいのか分かりませんが、進んでも戻っても進む方向を変えても止まっても死ぬだけ、とか、荒野の空虚な感じとか、愛憎のおどろおどろしい感じとか、白い道の細さとか、なんだかとてもリアルでグっとくる比喩です。

でまあ、現代に生きる若者としては、「信心」っていう言葉などにも違和感を感じるわけです。なんというか、信仰に基づく事件やテロや戦争っていっぱいあるし、信仰が人を不幸にすることっていっぱいあるように見えるんですね。そもそも、何を信じるのか、っていうか、信じるって何か、っていうのがよく分かりません。と思っていたら、今日の研修で「信心とは」というテーマもありました。

親鸞が「一念多念文意」の中で、
きくといふは、本願をききて疑うこころなきを「聞」といふなり。またきくといふは、信心をあらはす御のりなり。「信心歓喜乃至一念」といふは、「信心」は如来の御ちかひをききて疑うこころのなきなり。

「聞即信(聞くことが信じることである)」だそうです。信心とは「私の心の持ち方」や「私の気持ち」のことではない、そのような積極的なものではなく受動的なものであって、聞く姿勢を持つこと、耳をひらくこと、みたいな。ふうん...。信じることは耳をひらくこと、耳をひらくことが信じること、そう言われるとちょっと納得できそうな気もします。で、本願って何?如来の御誓いって?ってことになるわけですが、教科書を見てみると、
本願とは、もともと因本(いんぽん)の誓願という意味で、菩薩が仏になるためにおこす願である。

ううううん...。浄土真宗の特徴的な思想「他力」や「悪人正機」のお話もあって、うううんと考えさせられましたが、うまく書けそうにないのでこれもまたおいおい。

明日は「宗教概説」です。世界のいろんな宗教について、なのかな。ちょっと楽しみです。

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