日本の仏教あれこれ
1日更新をさぼってしまいましたが、昨日は「各宗の教義」でした。日本仏教のいろんな宗派についての勉強です。
大胆にざっとまとめます。
・奈良仏教は中国より伝わった仏教の文献を読み解く研究としての仏教。この時代の「宗」は「学派」の意味。東大寺に共存していた6学派が、後に「南都六宗」とよばれる三論宗、法相宗、華厳宗、律宗、倶舎宗、成実宗へ。
・平安仏教(天台宗と真言宗)ではじめて仏教の日本的解釈が始まる。学問・研究から信仰・実践へ。
・鎌倉仏教(禅宗、日蓮宗、浄土宗)、それまで僧侶や貴族階層のものだった仏教が大衆化され、理論や実践が単純化され簡素化される。
で、各宗派、これもざっくりまとめます。まず奈良時代から。
三論宗。今は教団として存在しているわけではありませんが、後の日本仏教に大きな影響を与えた宗派だそうです。般若経に説かれている「空」の思想を体系化したもの。うぅん、空の思想ってとても興味深いわけですが、教科書からちょっと引用すると、
みたいな感じです。直観的にとても深いことが書かれているようには思いますが、まあ、何というか...。っていうか、奈良時代の日本人がこんなことを考えていたことに感動します。奈良時代ってギャートルズみたいな感じなのかと思ってました。
法相宗。日本伝来は三論宗に次いで古いものです。仏教では宗派によらず、迷いや惑い、苦悩からの脱却が目指されるわけですが、そこでは、人の心や精神の働きを明らかにしようとする試みが生まれます。法相宗では、心のはたらきをの中心を「心王」と呼び、「眼識」「耳識」「鼻識」「舌識」「身識」「意識」「末那識」「阿頼耶識」という8つの識で構成されると説きます。末那識とか阿頼耶識、どんなものか気になるところですが、説明を読んでパッと分かるものではありません。「フロイトによる無意識の発見」なんてよく聞きますが、よく似た発想はきっと紀元前から世界中であったんですよね。
律宗。鑑真が日本に伝えた律宗です。仏の教えを学ぶ者たちの非行に対する禁止事項を書きつづった「律蔵」を拠り所とする宗派。250個の戒律が8段階にわけて説明されます。8段階のうち、最も重い罪とされるのが、浪羅夷(はらい)と呼ばれて、婬、盗、殺、妄、の4種類、2番目が僧残で・・・。といった感じです。もちろん、戒律だけの宗派かっていうとそういうことでもなくて、背後にはいろんな思想があるわけです。
華厳宗。「教義は日本仏教の中で最も難解とも言われる」とのこと。ま、そういうことです。
ここまでが奈良仏教、次は平安仏教です。
天台宗。これは中国の天台を日本人の最澄が日本に伝え、解釈し直したもの。中国天台と日本天台、いろいろ違うので別物して扱われます。日本天台の思想は「円・密・禅・戒」の四文字で表現されます。法華円経の円、密教の密、座禅の禅、戒律の戒、です。法華経を大事にして戒律を守って座禅をする秘密の仏教です。ほんとかな...。他にも化儀四教とか化法四教、五時判といったキーワードがありますが、まあ難しいわけです。
真言宗。またおいおい。食後は眠くなりますね。
鎌倉時代に入ります。
禅宗。中国の達磨を祖とする宗派の総称です。臨済宗、曹洞宗などです。仏教は教と禅に二大別され、教(経典やその解釈)は真理を指し示す言葉ではあるが、「月を指す指」にしかすぎず、教のみでは真理を悟ることはできない、禅こそが...、というのが禅宗の立場です。なので、特定の経典を大事するとか、教義を説くといったことはせず、「以心伝心」を大事にします。
日蓮宗。天台宗と同じく法華経を大切にする宗派。天台宗が教義を師匠から資格を満たす弟子のみへ伝える密教であることに対し、日蓮宗は民衆に教えを説きます。「南無妙法蓮華経」というお題目を唱えることが即身成仏へのただ一つの道と説く宗派、でしょうか。さらに、昭和になってここから枝分かれしたものが創価学会、なのかな。
浄土宗。「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」を大事にします。浄土真宗もこの流れに含まれます。「南無阿弥陀仏」ととなえるだけ、という宗派です。加持祈祷を省いた宗派です。
ちゃんとした人が読んだら怒りだしそうなざっくり具合ですが、まあ、新しく知ることだらけなのでやむをえません。何ていうか、もっと分かりやすい日本語で説明して...、って思うのですが、インドで生まれて中国経由で日本にやって来て、そのうえ、奈良時代から伝わってる言葉たちなので、そう簡単にはいかない、ということなんですね。
大胆にざっとまとめます。
・奈良仏教は中国より伝わった仏教の文献を読み解く研究としての仏教。この時代の「宗」は「学派」の意味。東大寺に共存していた6学派が、後に「南都六宗」とよばれる三論宗、法相宗、華厳宗、律宗、倶舎宗、成実宗へ。
・平安仏教(天台宗と真言宗)ではじめて仏教の日本的解釈が始まる。学問・研究から信仰・実践へ。
・鎌倉仏教(禅宗、日蓮宗、浄土宗)、それまで僧侶や貴族階層のものだった仏教が大衆化され、理論や実践が単純化され簡素化される。
で、各宗派、これもざっくりまとめます。まず奈良時代から。
三論宗。今は教団として存在しているわけではありませんが、後の日本仏教に大きな影響を与えた宗派だそうです。般若経に説かれている「空」の思想を体系化したもの。うぅん、空の思想ってとても興味深いわけですが、教科書からちょっと引用すると、
有と無を否定してすべては空であると説いた。眼前の全てはかりそめの姿。しかし実体がないからといって、全くの無でもない。有の空、空の有というべきもので、互いに妨げるものがないというのが真実。しかし、有とは空に即した有であるから、有といっても単なる有ではない。同様に空も有に即した空であるから単なる空ではない。よって非有非空と表現されるが、この非有非空も言葉でもって表現した以上すでに真実でなくなる。よって真実を表現しようとすれば再度これを否定しなければならない。
みたいな感じです。直観的にとても深いことが書かれているようには思いますが、まあ、何というか...。っていうか、奈良時代の日本人がこんなことを考えていたことに感動します。奈良時代ってギャートルズみたいな感じなのかと思ってました。
法相宗。日本伝来は三論宗に次いで古いものです。仏教では宗派によらず、迷いや惑い、苦悩からの脱却が目指されるわけですが、そこでは、人の心や精神の働きを明らかにしようとする試みが生まれます。法相宗では、心のはたらきをの中心を「心王」と呼び、「眼識」「耳識」「鼻識」「舌識」「身識」「意識」「末那識」「阿頼耶識」という8つの識で構成されると説きます。末那識とか阿頼耶識、どんなものか気になるところですが、説明を読んでパッと分かるものではありません。「フロイトによる無意識の発見」なんてよく聞きますが、よく似た発想はきっと紀元前から世界中であったんですよね。
律宗。鑑真が日本に伝えた律宗です。仏の教えを学ぶ者たちの非行に対する禁止事項を書きつづった「律蔵」を拠り所とする宗派。250個の戒律が8段階にわけて説明されます。8段階のうち、最も重い罪とされるのが、浪羅夷(はらい)と呼ばれて、婬、盗、殺、妄、の4種類、2番目が僧残で・・・。といった感じです。もちろん、戒律だけの宗派かっていうとそういうことでもなくて、背後にはいろんな思想があるわけです。
華厳宗。「教義は日本仏教の中で最も難解とも言われる」とのこと。ま、そういうことです。
ここまでが奈良仏教、次は平安仏教です。
天台宗。これは中国の天台を日本人の最澄が日本に伝え、解釈し直したもの。中国天台と日本天台、いろいろ違うので別物して扱われます。日本天台の思想は「円・密・禅・戒」の四文字で表現されます。法華円経の円、密教の密、座禅の禅、戒律の戒、です。法華経を大事にして戒律を守って座禅をする秘密の仏教です。ほんとかな...。他にも化儀四教とか化法四教、五時判といったキーワードがありますが、まあ難しいわけです。
真言宗。またおいおい。食後は眠くなりますね。
鎌倉時代に入ります。
禅宗。中国の達磨を祖とする宗派の総称です。臨済宗、曹洞宗などです。仏教は教と禅に二大別され、教(経典やその解釈)は真理を指し示す言葉ではあるが、「月を指す指」にしかすぎず、教のみでは真理を悟ることはできない、禅こそが...、というのが禅宗の立場です。なので、特定の経典を大事するとか、教義を説くといったことはせず、「以心伝心」を大事にします。
日蓮宗。天台宗と同じく法華経を大切にする宗派。天台宗が教義を師匠から資格を満たす弟子のみへ伝える密教であることに対し、日蓮宗は民衆に教えを説きます。「南無妙法蓮華経」というお題目を唱えることが即身成仏へのただ一つの道と説く宗派、でしょうか。さらに、昭和になってここから枝分かれしたものが創価学会、なのかな。
浄土宗。「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」を大事にします。浄土真宗もこの流れに含まれます。「南無阿弥陀仏」ととなえるだけ、という宗派です。加持祈祷を省いた宗派です。
ちゃんとした人が読んだら怒りだしそうなざっくり具合ですが、まあ、新しく知ることだらけなのでやむをえません。何ていうか、もっと分かりやすい日本語で説明して...、って思うのですが、インドで生まれて中国経由で日本にやって来て、そのうえ、奈良時代から伝わってる言葉たちなので、そう簡単にはいかない、ということなんですね。